世田谷尾山台ハウス
Setagaya Oyamadai House
世田谷尾山台ハウス
自社物件購入資産運用2026.08.10読了 6分

店舗|賃貸のまま家賃を払うかor購入するかの判断

Written byaya

賃貸か購入か

輸入車の販売代理店を営んでいるA様は、10年以上も店舗を借りて営業してきました。更新時期を迎え、今後についてのご相談をいただきました。

前回の更新の際、借りている物件を購入するという話しが持ち上がったものの、最終的にAさは現状維持を選択され、3年が経過しました。

「やっぱり、まだしばらくお店も続ける予定だし、ここ3年間で払ってきた賃料(約1,500万円)を考えると購入の方向で検討しようかな」ということで、再度オーナー(以下、敬称略)に打診してみることになりました。

購入するメリット

まだしばらく営業を続けることを考えると、家賃を支払い続ける代わりに、融資返済が進んだ分は自分の資産として積み上がっていく。所有すれば、もし自分が使わなくなったとしても、貸して家賃収入を得るという選択肢もとれるし、売却して老後資金に充てることもでき、選択肢も広がる。

ただし、誰でも彼でも購入したほうが良いって話しではありません。

  • Aさんは今後、どんな人生を起こりたいのか

  • 融資が利用でき、返済に耐えられる耐力はあるのか

  • 将来を想定して、GOサインがでるラインはどこなのか(戦略)

以上を判断してクリアする必要があります。
せっかく購入しても負の財産になるなら、おすすめできません。

収支の目途から資金計画を作成し、査定額を再度算出し、オーナーに交渉することになりました。

食い違う貸主の意向

オーナーに話しを持ちかけてみたところ、なんと1.5倍の価格を条件にあげてきました。相場上昇の波を受けていること、他の不動産会社に相談したら「安すぎる」と言われたそうです。

当社の査定額だけでなく、実際の相場以上の金額を提示してきました。
これまで借主として家賃を払い続けてきてくれた事情は汲まないだけでなく、さらには「もっと高く売れると言われた」「嫌なら出て行ってくれてもいい」とまで言い出す始末。

要求額は当社のラインの限度を遙かに超えたものでした。

本質を見抜く大切さ

「他でもっと高く売れると言われた」
この常套句はよく使われます。
使い方は色々あるとしても、「天秤にかけている」ことは間違いありません。

オーナーはもっと高く売れる算段でいるようですが、実はこの物件、いろいろと問題が山積みなのです。
融資が下りない致命傷の条件がいくつも揃っているので、現状のまま購入するのはリスクが大きいです。

  • 検査済証がないだけでなく確認申請さえも行っていない

  • 容積率オーバーの違法建築物である

  • 適合要件に戻すには、コストがかかりすぎて現実的ではない

  • 建物耐用年数はとっくにオーバー

そのため、Aさんの選択肢は3つとなりました。

➀現状のまま借り続ける
②オーナーの言い値で購入する
③他の物件を探す

比較検討できるようにシミュレーションを作成しました。

Aさんのとった選択肢

検討の結果、Aさんが選択したのは「③他の物件を探す」でした。

当社としても同感です。
もっといい物件、探しましょう!
いい物件とは、法的に健全な不動産であり、より資産価値の高い物件をここでは差します。

Aさんの要望はこうでした。

  1. 遠方からいらっしゃるお客様も多いから高速のインターからアクセスが良いこと

  2. 今の場所からかけ離れていないこと

  3. 駐車スペースがあること

  4. 路面で視認性がいいこと

お洒落な輸入車を販売しているだけあって、道路から「おっ、素敵な車!」って思ってもらえる路面店であることって大事ですよね。

私たちが重要視している物件探しで大事なこと

私たちが物件を探すうえで重要なことは、クライアントがどんなイメージを想像しているか、クライアントの頭の中やイメージをインストールすること。

希望条件って簡単なようで、実は難解です。
例えば「広めのリビング」と言ったとしても、11帖でもいいのか、18帖以上が良いのかまでは分かりません。日当たりのいい部屋を希望していても、他の条件が良ければ、日が当たらなくても気に入る場合もあります。

ここがかみ合わないと、やみくも希望とかけ離れた物件ばかりご紹介してしまいます。

同時に、特に事業用不動産や収益物件の場合は、一見してクライアントが「これはイメージと違う」という物件でも、アレンジすることで理想に近づけける、いわゆる”化ける物件”もあります。経験と想像力が必要になります。

そして不動産屋の視点として、個々の不動産のもつ潜在能力、潜在価値を見出し、資産として実現可能か数字をはじけるか否かで結果が分かれます。ただ、物件を紹介するだけでなく、将来の資産に成長していけるかどうか。この選定ができるようになるまで経験が必要になります。

優良物件に出会うコツ

そして、優良物件に出会えるかどうかは、実はお客さま次第なのです。
タイミングよく良いご縁に出会える人は、共通しているものがあります。
Aさんはその要素を持ち合わせていました。

見つけたのは、廃業した町工場。
商業地域の「店舗」という先入観念が固執していたけれど、工業地域の売工場に目が留まりました。

✓ 高速インターからのアクセスも悪くない

✓ 鉄骨造なのでリノベーションしやすい

✓ 用途変更等もクリア可能

✓ 視認性も良好で宣伝効果が期待できる


建物は築40年。図面なし、検査済証なし、未登記の増築あり、越境物あり、水道管は隣地の私設管と問題は山積してました。ただし、その問題点を健全な状態にもっていくことが不動産の価値の上昇と流動性の向上につながります。

役所でヒアリングと相談を重ねて調査を進めていきます。
近隣所有者にもご協力いただき、越境や給水管の共有に関しても円満に進みました。

あとは、自分のイメージに合うリノベーション次第!
といっても予算は限られているため、お金をかけるべきところを優先して、それ以外は後からじっくりやるのがおすすめ。町工場がすっかり蘇って、モダンな店舗になりました。

Aさんにとって、物事を新しくスタートするには打ってつけの年。
バイオリズムも応援してくれているようでした。

解約した店舗のその後

ちょうど先日、解約した店舗の前を通りました。
あれから3年が経ちました。
契約解除後に売却に出ていたことは知っていましたが、空家の状態で放置されたままでした。

やはり、違法建築は後が大変です。
みんな「後で是正すればいいんでしょう?」と簡単にいいますが、結局は戻すこともないまま、自分の首を絞める結果となるのです。

高く売れるはずだったのに。。。
賃料収入も入らぬまま。。。
こちらは残念な結果となりました。

ますますのご健勝とご盛業を願っております。